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*「三菱電機技報」2007年 Vol.81 No.5から転載。
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まえがき

現在、世界中で毎年1,700TWhの電力が消費されており、この値は、30年前の3倍にまで増加している。しかし、パワーエレクトロニクスの技術を用いた電力変換効率のよい応用分野での電力消費はわずか数パーセントにとどまっている。一方で、代替エネルギー・新エネルギー分野や自動車や電鉄制御の分野では、パワーエレクトロニクス技術の適用が急速に拡大している。これらの分野での成長率は、毎年20%以上で、今後も継続して拡大すると予想されている。

パワーエレクトロニクスの発展の歴史は、パワーデバイスの能力・容量拡大の開発と密接な関係にある。パワーエレクトロニクスの発展は、その応用分野の拡大によるところが大きいが、パワーデバイスの開発も大きく関係している。そのため継続したパワーデバイスの性能改善は、資源とエネルギーを高度利用するパワーエレクトロニクスの発展のために非常に重要である。

図1・パワーデバイスとパワー密度推移

図1・パワーデバイスとパワー密度推移
 

パワーエレクトロニクスのシステムの開発課題は、

   (1) ハードウェアの最適化
   (2) ハードウェアを制御するソフトウェア
   (3) クリーンな電力を低損失・低雑音で供給するためのインタフェース

の3つが重要である。以前のパワーデバイスの開発はハードウェアを重視したデバイス単体としての性能改善が中心であった。しかし、今日では、パワーデバイスの開発方向は単なるデバイスの性能改善だけではなく、より高度な機能を内蔵したり、自己制御を可能としたりした、インタフェース向上を図ったものになっている。最新のパワーエレクトロニクスシステムの開発目標として、変換機のパワー密度向上がある。図1にパワーデバイスとパワー密度推移を示す。

過去20年、パワー変換機のパワー密度向上に、IGBTモジュール・IPM技術が非常に大きく寄与し、パワーエレクトロニクスシステムの装置の体積を2けた縮小させた。しかし、近い将来シリコンを材料としたIGBTでの改善には飽和傾向が予測されるため、パワーデバイスの開発・研究において新材料(SiCなど)が注目されている。

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